
定義:「ハイリスク薬」については、医療提供施設によりその定義が異なることがあるが、処方せん全
般を取り扱う薬局という観点から、ここでは以下に示す3つの分類に含まれるものとする。ただし、
調剤報酬点数表における特定薬剤管理指導加算(薬剤服用歴管理指導料の加算。平成22年4
月より新設)の対象薬剤とは必ずしも同一ではない(すなわち、対象外の薬剤も含まれている)
ことに注意されたい。
- Ⅰ:厚生労働科学研究「『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル(平成19
年3月)」において「ハイリスク薬」とされているもの。
- ①投与量等に注意が必要な医薬品
- ② 休薬期間の設けられている医薬品や服薬期間の管理が必要な医薬品
- ③ 併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品
- ④ 特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
- ⑤ 重篤な副作用回避のために、定期的な検査が必要な医薬品
- Ⅱ:投与時に特に注意が必要と考えられる以下の治療領域の薬剤
- ① 抗悪性腫瘍剤
- ② 免疫抑制剤*
- ③ 不整脈用剤*
- ④ 抗てんかん剤*
- ⑤ 血液凝固阻止剤
- ⑥ ジギタリス製剤*
- ⑦ テオフィリン製剤*
- ⑧ 精神神経用剤(SSRI、SNRI、抗パーキンソン薬を含む)*
- ⑨ 糖尿病用剤
- ⑩ 膵臓ホルモン剤
- ⑪ 抗HIV剤
- *:特定薬剤治療管理料対象薬剤(TDM対象薬剤)を含む
- Ⅲ:投与時に特に注意が必要と考えられる以下の性質をもつ薬剤
- ① 治療有効域の狭い薬剤
- ② 中毒域と有効域が接近し、投与方法・投与量の管理が難しい薬剤
- ③ 体内動態に個人差が大きい薬剤
- ④ 生理的要因(肝障害、腎障害、高齢者、小児等)で個人差が大きい薬剤
- ⑤ 不適切な使用によって患者に重大な害をもたらす可能性がある薬剤
- ⑥ 医療事故やインシデントが多数報告されている薬剤
- ⑦ その他、適正使用が強く求められる薬剤(発売直後の薬剤など)
薬局における「ハイリスク薬」の薬学的管理指導
-
共通する5項目
- 1) 患者に対する処方内容(薬剤名、用法・用量等)の確認
- 2) 服用患者のアドヒアランスの確認(飲み忘れ時の対応を含む)
- 3) 副作用モニタリング及び重篤な副作用発生時の対処方法の教育
- 4) 効果の確認(適正な用量、可能な場合の検査値のモニター)
- 5) 一般用医薬品やサプリメント等を含め、併用薬及び食事との相互作用の確認